韓国法改正情報―個人情報保護法・商標法・特許法改正の概要と情報収集方法をご紹介

海外ビジネスを進める際には、各国の法規制に関して適切に対応していく必要がありますが、そのために必要なのが法律の理解や法改正があるたびにスピーディーに対応していくことです。リスクを防ぎ、効率的に進めるためには、日頃からのリアルタイムに近い形での正確な情報収集が鍵となります。

今回は、韓国における近年のビジネスに関係する法改正を取り上げます。また海外の法改正情報収集のよくある課題と解決策もご紹介しますので、ぜひ参考にされてください。

目次

1.韓国の近年の法改正の概要

韓国では近年、法改正が相次いでおり、韓国国内でサービス・事業を展開し、個人情報を収集する日本企業は、適用を受ける可能性があるため、知っておく必要があります。

ここでは韓国の個人情報保護法改正、商標法改正、特許法改正についての改正のポイントを解説します。

●韓国の個人情報保護法改正のポイント

韓国の個人情報保護法における「個人情報」とは、生存する個人に関する情報である氏名、住民登録番号、映像などの個人を識別できる情報と、他の情報と容易に結合して識別できる情報を指します。業務を目的として韓国の情報主体の個人情報を体系的に処理、つまり収集、保存、利用、提供などを行う公共機関、法人、団体、個人を「個人情報処理者」と呼び、本法の受範者としています。

2023年9月15日に、改正法とその施行令が発令されました。
主な改正ポイントとして次の点などが挙げられます。

・本人同意取得要件の追加
個人情報を収集して利用するには、その目的や項目、利用期限などの同意を得なければなりませんが、改正法ではその同意の要件が追加されました。追加された要件として、情報主体が自由な意思により同意の有無を決定できることや、同意を得ようとする内容が具体的かつ明確であることなどが挙げられます。

・個人情報の国外移転に関する規制の追加
改正法では、個人情報の国外移転を原則的に禁止していますが、例外として原則的に情報主体の同意を得られれば許容されていました。その要件が、改正法で拡大されました。例えば、「情報主体から国外移転に関する別途の同意を得た場合」などが追加されています。

・個人情報流出時の報告義務適用対象の拡大
個人情報流出時の報告義務において、改正前は、個人情報処理者と情報通信サービス提供者とでは別々の規定があったのに対し、改正前は一元化されました。いずれも流出の事実を知ったら、遅滞なく情報主体に必要項目を通知しなければなりません。

参照元:ジェトロ「韓国の改正個人情報保護法」
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2024/02/b34aa8fbde3bfc47.html
詳細は正式な情報をご参照ください。

●韓国の商標法改正のポイント

韓国の商標法改正は、近年数回行われています。そのうち、2023年2月と2024年5月施行の改正のポイントを見ていきましょう。

【2023年2月4日施行の改正商標法】
改正点を一部ご紹介します。

・部分拒絶制度の導入
改正前は商標登録出願にて一部の指定商品だけに拒絶理由があった場合、削除するか補正しない場合、拒絶理由がない指定商品を含め、出願全体について拒絶決定されていました。改正後は、出願人が削除などを行わなくとも、拒絶理由がある指定商品のみ拒絶され、拒絶理由がない指定商品について商標登録が受けられるようになりました。

・再審査請求制度の導入
改正前は、商標登録が拒絶決定すれば、拒絶決定不服審判請求のみが可能で、審判を介さなければなりませんでしたが、改正後は、指定商品、商標の補正により拒絶理由を解消できる場合に限って、審判請求期間内に補正書提出とともに再審査を請求できるようになりました。

・商標使用行為の類型拡大
改正前は、商標の使用に関してオンライン上の流通行為は使用行為として認められていませんでした。改正後は、デジタル商品の購読・提供なども使用に含まれるようになりました。

参照元:新興国等知財情報データバンク
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/jpowp/wp-content/uploads/2023/03/3cd270233f180a7c8d66afdce558f8c5.pdf

【2024年5月1日施行の改正商標法】
改正点を一部ご紹介します。

・商標共存同意制度の導入
改正前は、出願した商標が他人の先出願商標と同一・類似していた場合、譲渡手続きや不使用取消審判請求などを行う必要がある不便さがありました。
改正後は、共存同意制度が導入され、先出願商標の商標権者が出願商標の登録に同意すれば拒絶理由が解消され、商標登録を受けられるようになりました。

参照元:東京都中小企業振興公社
https://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/onepoint/udaenk00000083j2-att/onepoint_033_1.pdf
詳細は正式な情報をご参照ください。

●韓国の特許法改正のポイント

特許法の改正は近年、複数回行われていますが、その中の一つとして、次の改正が挙げられます。

【2021年4月20日施行の改正特許法】

・分離出願制度の新設
韓国特許法では、複数の発明を請求した場合、そのうちの一部が登録可能であったとしても、請求自体が棄却された場合は登録可能な一部を救済できませんでした。
改正後は分離出願制度が新設され、特許拒絶決定に対する不服審判請求で棄却された場合、棄却から30日以内に拒絶されていない請求項のみを新しい特許出願として分離できるようになりました。これにより、出願人は審判請求前にわざわざ分割出願をするという不便な点が補われました。

参照元:新興国等知財情報データバンク
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/laws/26894/
https://www.globalipdb.inpit.go.jp/jpowp/wp-content/uploads/2021/12/965b4e8da769ac080cf9878c0afadea3.pdf
詳細は正式な情報をご参照ください。

2.海外の法改正情報収集のよくある課題と解決策

企業が海外の法改正情報を収集する際には、よく次のような課題に直面します。

●法に関する専門知識が必要

情報収集以前の課題です。法改正情報を正確に知るには、前提として、改正対象となる法律の基礎知識が求められます。海外の規定は日本の既成概念とは異なる点も多く、正確な専門知識や知見がバックグラウンドとして求められます。

●調査リソースが限られる

一般的に、情報収集といえば手動でWebサイトを目視する方法となるため、調査の人的リソースや時間的リソースが限られるケースが少なくありません。

●定期的な調査が必要

インターネット上の情報収集となれば、随時最新情報にアップデートされていくため、定期的に実施しなければ、最新の法令や規制に対応していくことができません。調査を定期的に実施する仕組みづくりが求められます。

●信頼性・精度の確保

情報調査元の信頼性や収集そのものの精度が低ければ、苦慮して用意したリソースも無駄になってしまいます。情報収集の際の信頼性と精度をいかに確保できるかも問われています。

このような海外の法改正情報収集の課題を解決できるツールをご紹介いたします。

3.海外の法改正情報収集なら「CERVN」がおすすめ

海外の法改正の情報収集を効率的かつ精度高く実施するには、Webモニタリング自動化ツール「CERVN」がおすすめです。CERVNはWebサイトを24時間モニタリングし、更新を検知、通知するため、チェック効率を大幅に改善します。また、差分も視覚的に分かりやすく表示するため、見落としの防止にも貢献します。

●「CERVN」の特徴

CERVNは、その他にも海外の法改正に役立つ次のような機能があります。

・最大30,000URLを登録できる
情報収集したい信頼のおけるWebページが膨大な数に上る場合も、CERVNなら最大30,000URLを登録できるため、膨大な対象サイトからの情報収集を自動化できます。

・キーワード登録で知りたい法改正情報だけ更新チェックできる
あらかじめキーワードを登録しておき、キーワードを含む更新が行われた場合のみ、通知を受けることも可能です。知りたい法改正情報に限定して更新をチェックすることができます。

【関連リンク】
機能紹介:キーワードの検知・通知

・差分が一目でわかりやすい
更新通知を受けたら、CERVNの画面上に更新前後の差分が色分けされて表示されるため、一目でどこが更新されたのかがわかります。見落としを防げるほか、視認性の良さから調査作業の負荷軽減にも繋がります。

・Web上のPDFの差分チェックも可能
法改正情報はPDFファイルで公開されることも多いですが、PDFファイル内の情報もWeb上に公開されているものであれば更新確認および差分チェックが可能です。

【関連リンク】
機能紹介:PDFファイルの差分検知

このように、CERVNには法改正チェック業務の効率化・ミス削減のための機能が豊富にそろっております。詳細につきましては、ぜひサービス紹介や資料をご覧ください。

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